2019年11月に当法人アドバイザーの小松茂が、洲本市の先山山系でキキョウ科のつる性植物ツルギキョウの実を確認撮影し、翌2020年、翌々2021年にも観察していました
「兵庫県版レッドリスト – ひょうごの環境」にはツルギキョウは掲載されておらず、奈良県、大阪府では絶滅危惧種として掲載されていることから、『もしかして兵庫県ではまだ誰も確認していないのかな?』と思いましたが、ちょうど新型コロナ禍の最中で、知己の研究者である生嶋史郎さんと連絡を取ることができず、確認が延び延びになっていました。
2023年6月にある席で生嶋さんと同席する機会があり、会合終了後に『淡路島でツルギキョウがあるってお聞きになられたことありますか?』と伺うと、『ありません』とのこと。
花期の9月末ごろに確認していただくお約束をして別れました。
2023年9月23日、二人で現地(2か所)へ赴き、生嶋さんに確認していただきました。
直後の9月27日に生嶋さんが小林禧樹.・兵庫県植物誌研究会代表を現地に案内され、標本が採集されたとのことです。
このたび、「兵庫の植物 34号」に生嶋史郎・小林禧樹共著で「淡路島で見つかった兵庫県新産のツルギキョウ(キキョウ科) ーその生育状況と近畿地方に於ける分布ー」が掲載されましたので、紹介します。
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論文にも紹介されていますが、2019年11月に初めて見たのですが、この時期には実は熟れて紫色になっていました。そのため『えっ!この実は見たことが無い、何だろう?』との思いを持ち、撮影したもので、1カ月も前に当地へ行っていたら『あ、スズメウリか』と済ませていたと思います。本当に偶然の積み重なりで見つけることができて好運でした。
(小松茂 記)